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イーサリアム 3100ドル再挑戦か サポート成功で【クラーケン・インテリジェンス】

クラーケン・インテリジェンスは、毎週、10個のチャートを更新して歴史的なビットコイン相場の天井もしくは底と、現在価格との距離を定点観測している。

今回の注目は、「イーサリアム対数回帰レインボー」と「ビットコイン強気相場 週間サポート」。イーサリアム対数回帰レインボーは、イーサリアムが近い将来に3100ドルに向けて上昇する可能性を示唆している。

一方、「ビットコイン強気相場 週間サポート」によると、ビットコインは2つのサポートラインのうち下の方を突破しそうだ。2つとも上回れば、ビットコインが強気相場に戻る可能性が出てくる。

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①イーサリアム対数回帰レインボー

イーサリアムの歴史的な価格推移を対数回帰で分析し、レジスタンスとサポートを測る指標。どの地点から測るかによってレジスタンスとサポートの水準は異なる。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「イーサリアム対数回帰レインボー」)

例えば、2018年1月につけた過去最高値に沿った対数回帰の線(Band8)を辿ると、今回のサイクルの天井は1万7639ドル付近になることが分かる。

執筆時点のイーサリアム価格は2230ドル。Band4(1815ドル)とBand5(3116ドル)の間にある。イーサリアムは次のレジスタンスであるBand5を突破するには、40%上昇する必要がある。

7月20日には1717ドルまで下落して月間の底値をつけたが、Band4がサポートとしてしっかりと機能した。したがって、今後数週間もしくは数ヵ月でBand5に再挑戦するとみてもよいだろう。

②ホドル・ウェーブ(少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの割合)

少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの供給量全体に対する割合は54.14%だった。2020年9月に記録した現サイクルの頂点である63.4%から9.3ポイントのマイナスとなった。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ホドル・ウェーブ」)

歴史的に、ビットコイン価格とホドルウェーブは逆相関関係にある。

2013年、ビットコインのホドルウェーブが当時のサイクルの頂点である48.2%に到達した時、ビットコイン価格は20.4ドル。ビットコインが11月30日に当時の最高価格である1158ドルに到達した時にホドルウェーブは38.8%まで下がった。

当時のサイクルでは、価格が5580%上昇する一方でホドルウェーブは9.4ポイント下がったことになる。


③ビットコイン200週移動平均マルチプル

ビットコイン200週移動平均は、過去200週間におけるビットコインの平均価格を示したもので、長期トレンドを見極める上で使われる重要なサポート水準を指す。

ビットコイン平均マルチプル(倍数)とは、ビットコインが200週移動平均からどのくらいの倍数で推移しているかを示す。例えば、4倍ならビットコイン200週移動平均から4倍の水準でトレードしていることを意味する。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily 「ビットコイン200週移動平均マルチプル」)

現在、ビットコイン200週移動平均マルチプルは2.62倍と先週の2.53倍から上昇した。

昨年末からの強気相場においてビットコイン200週移動平均マルチプルは2021年4月に4.25倍をつけた後で下落した。

以前の強気相場では、弱気相場に入る前に、ビットコイン200週移動平均マルチプルは10倍〜15倍まで上昇した。

現在のビットコイン200週移動平均は1万4159ドル。ビットコイン200週移動平均マルチプルが10倍〜15倍まで上昇する場合、ビットコイン価格は 14万1590ドル〜21万2385ドルまで上がることになる。

④「ビットコイン強気相場 週間サポート」

ビットコインは、歴史的に20週指数平滑移動平均線(EMA)と21週移動平均線(SMA)がサポートとして機能してきた。ビットコイン価格は2つの平均線をサポートに反発して新たな上昇トレンドを作る傾向がある。もし価格が双方の移動平均線を下回る時、強気相場の終わりを示している可能性が高い。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン強気相場 週間サポート」)

ビットコイン価格3万7150ドル時点で、20週EMAと21週SMAはそれぞれ3万9204ドル、4万5071ドルに位置している。

仮に20週EMAまで上昇すると5.5%のプラス、21週SMAまで上昇すると21.3%のプラスになる。

ビットコインは2020年4月以来、3ヵ月連続で2つのサポートを同時に下回っている。従来、2つのサポートを下回ることは強気相場の終えんと考えられてきた。

しかし、全ての強気相場が同じように動くわけではない。例えば2013年、ビットコインは2ヵ月近くサポートを下回って推移した後、上昇相場を再開した。

⑤ビットコイン対数成長曲線

2011年1月からのビットコイン価格の推移において、レジスタンス(天井)とサポート(底)を繋げた成長曲線を引いた。赤い対数の線を超えたら「買われすぎ」、緑の対数の線を下回ったら「売られすぎ」と考えられる。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン対数成長曲線」)

現在のビットコイン”買われ過ぎ”の水準は9万1727ドルから11万9470ドルで、現在の価格と比較して147%〜2224%の乖離がある。

一方、ビットコイン”売られ過ぎ”の水準は1万9529ドルから2万5435ドルで現在の価格と比較して32〜47%の乖離がある。

ビットコインが今後も上記の成長カーブ通りに動くという保証はどこにもないが、この成長曲線はビットコイン市場が強気相場にいるのか、弱気相場にいるのかを知る上で参考になるだろう。

⑥ビットコインの月間ボリンジャーバンド(上位)とRSI

ボリンジャーバンドは、ボラティリティの大きさから「買われすぎ」か「売られすぎ」の水準を測る指標として使われる。上位のバンドを超えれば「買われすぎ」、そうでなければ「売られすぎ」と考えられる。一般的に20日間移動平均から標準偏差±2が上位と下位のバンドを示すが、我々は20ヵ月間移動平均から標準偏差+4.5を上位バンドとして捉える。

RSI(相対力指数)は、相場の勢い(Momentum)を図る指標として有名だ。30を下回れば「売られすぎ」を示し、70を超えれば「買われすぎ」を示す。我々は歴史的な関連性の高さから、14ヵ月RSIに注目する。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインの月間ボリンジャーバンド(上位)とRSI」)

ビットコインの今月の最高値は4万581ドル。月間上位ボリンジャーバンドがある9万8984ドルから5万8403ドルも下にあることが分かる。

14ヵ月RSIは61.9で先週から上昇したが、依然として「ニュートラル」の領域にある。

2013年には「ニュートラル」まで下がった後、上昇トレンドが再開した。

過去に月間上位ボリンジャーバンドをビットコイン価格が上回ったことは、2013年4月、2013年11月、2017年11月の3回しかない。それぞれの時点で、14ヵ月RSIも100に迫る水準まで上昇した。

⑦ビットコインのMVRV Zスコア

ビットコインのMVRV Zスコア(Market Value to Realized Value)は、ビットコインの時価総額(価格×流通コイン数)と”実現”価値(コインが最後に動かされた時(2つの異なるアドレス間で移動した時)の価格を基に計算)からビットコインが売られすぎか買われすぎかを測る指標。7から11(ピンクのボックス)が「買われすぎ」を指し、0.9から−0.3(緑のボックス)が「売られすぎ」を指している。

ビットコインのMVRV Zスコアの公式は、(時価総額ー実現価値)/(時価総額の標準偏差)だ。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインのMVRV Zスコア 」)

ビットコインのMVRV Zスコアは1.67。先週の1.21から38%上昇した。

現在ビットコインの時価総額は6440億ドルで先週から1.5%増加、実現価値は3620億ドルで横ばいとなっている。

⑧ビットコインPi指数

ビットコインPi指数は、111日間移動平均線と350日間移動平均線×2 を使ってマーケットサイクルの天井を探る方法。歴史的に111日間移動平均線(水色)が350日間移動平均線×2(赤)上回る形でクロスした時点がマーケットの天井となってきた。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインPi指数 」)

以下は、過去の4回のクロスだ。

  • 2013年4月6日、ビットコインが229ドルの時に2つの平均線がクロスし、約3日後にサイクルの頂点に到達した。
  • 2013年12月4日、ビットコインが1130ドルの時に2つの平均線がクロスし、約5日後にサイクルの頂点に達した。
  • 2017年12月16日、ビットコインが1万9660ドルの時に平均線がクロスし、同日にサイクルの頂点に達した。
  • 2021年4月11日、史上4回目のクロスが発生。約3日後に過去最高となる6万5000ドルをつけた。

現在、111日間移動平均線は4万2728ドルで350日間移動平均線×2は6万4474ドルとなっている。

ビットコインPi指数は、クロスしたら必ず弱気相場に入ることを示すわけではない。

⑨ビットコインのSOPR

ビットコインのSOPR(Spent Output Profit Ratio)は、売却価格/購入価格の割合を示す。

SOPRが1を上回ることは、保有者が利益を出せる状態であることを意味する。逆にSOPRが1を下回ることは、売却時に損失を出したくないため、ビットコインを売りに動く投資家が少なくなることを示している。

歴史的に強気相場においてSOPRが1に近づくか下回る時、強気派の勢いが増す傾向がある。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインのSOPR」)

2020年12月に直近の高値である1.21をつけて以降、SOPRの7日移動平均は下落トレンドにある。

現在は0.998で推移しており、先週の1.013から低下。再び1を割り込んだ。

1を確実に突破することは、歴史的に強気な値動きの先駆けとなってきた。

⑩ストック・フロー分析

ビットコインのストックフロー分析によると、ビットコインは売られすぎの水準にある。ストックフロー率からの乖離幅は0.34(1より下は売られすぎ)の水準にあり、先週の0.28から上昇した。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily ストック・フロー分析)

ストック・フロー率は、ビットコインの総供給量(ストック)と新たな供給量(フロー)を基に算出される。

高ければ高いほど、分析対象のコモディティの希少性が増すことを意味する。

ストック・フロー率に ビットコイン 価格の推移を重ね合わせると、両者の動きがほぼ同じであることが分かる。

新たなビットコイン供給量が6.25BTCから3.125BTCまで半減する「半減期」まで1008日となった。

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