| Kraken Japan

久しぶりのSOPR1回復 ビットコイン復活の兆しか【クラーケン・インテリジェンス】

ブロックチェーン上の取引データを分析して仮想通貨トレードに活かす手法は「オンチェーン分析」と呼ばれる。クラーケン・インテリジェンスは、毎週、10種類のオンチェーン関連チャートを更新して、ビットコインの歴史から見た相場の天井もしくは底と、現在価格との距離を定点観測している。

今回の注目はビットコインのSOPR。ビットコイン復活の兆候が見られ始めています。

[NEW!] LINE始めました!フォローをお願いします
Twitter始めました!フォローお願いします

①イーサリアム対数回帰レインボー

イーサリアムの歴史的な価格推移を対数回帰で分析し、レジスタンスとサポートを測る指標。どの地点から測るかによってレジスタンスとサポートの水準は異なる。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「イーサリアム対数回帰レインボー」)

例えば、2018年1月につけた過去最高値に沿った対数回帰の線(Band8)を辿ると、今回のサイクルの天井は2万1689ドル付近になることが分かる。

現在のイーサリアムは3176ドルで推移しており、Band5(3825ドル)とBand6(7148ドル)の間にある。Band6に到達するには、現在の価格から125%上昇しなければならない。

②ホドル・ウェーブ(少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの割合)

少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの供給量全体に対する割合は58.88%で、2020年9月9日に記録した現サイクルの頂点である63.4%から4.5ポイントのマイナスとなった。

ホドル・ウェーブは7ヵ月ぶりの高水準を記録しており、上昇トレンド開始の可能性がある。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ホドル・ウェーブ」)

歴史的に、ビットコイン価格とホドルウェーブは逆相関関係にある。

2013年、ビットコインのホドルウェーブがサイクルの頂点である48.2%に到達した時、ビットコイン価格は20.4ドルだった。

一方、ビットコインが2013年11月30日に当時の最高価格である1158ドルに到達した時にホドルウェーブは38.8%まで下がった。価格が5580%上昇する一方でホドルウェーブは9.4ポイント下がったことになる。

③ビットコイン200週移動平均マルチプル

ビットコイン200週移動平均は、過去200週間におけるビットコインの平均価格を示したもので、長期トレンドを見極める上で使われる重要なサポート水準を指す。

ビットコイン平均マルチプル(倍数)とは、ビットコインが200週移動平均からどのくらいの倍数で推移しているかを示す。例えば、4倍ならビットコイン200週移動平均から4倍の水準でトレードしていることを意味する。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily 「ビットコイン200週移動平均マルチプル」)

現在、ビットコイン200週移動平均マルチプルは2.19倍と先週の2.25倍から低下した。以前の強気相場では、弱気相場に入る前に、ビットコイン200週移動平均マルチプルは10倍〜15倍まで上昇した。

現在のビットコイン200週移動平均は1万9311ドル。ビットコイン200週移動平均マルチプルが10倍〜15倍まで上昇する場合、ビットコイン価格は 19万3110ドル〜28万9665ドルまで上がることになる。

④「ビットコイン強気相場 週間サポート」

ビットコインは、歴史的に20週指数平滑移動平均線(EMA)と21週移動平均線(SMA)がサポートとして機能してきた。ビットコイン価格は2つの平均線をサポートに反発して新たな上昇トレンドを作る傾向がある。もし価格が双方の移動平均線を下回る時、強気相場の終わりを示している可能性が高い。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン強気相場 週間サポート」)

ビットコイン価格は現在4万2220ドル時点で、20週EMAと21週SMAはそれぞれ4万9034ドル、5万1951ドルに位置している。

ビットコインは、2つの重要サポートを下回っており、弱気相場に入った可能性がある。ただ、短期的に弱気になっているだけの可能性もある。

⑤グーグル検索とビットコイン

現在のビットコインのグーグルトレンドスコアは34で、先月の33から上昇した。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily 「グーグル検索とビットコイン」)

このスコアは、世界の「Bitcoin」グーグル検索数を価格と比較して算出したもので、急上昇したら価格が高値に近いことを示唆している。

過去最高は2017年12月に記録した100だ。

⑥ビットコイン対数成長曲線

2011年1月からのビットコイン価格の推移において、レジスタンス(天井)とサポート(底)を繋げた成長曲線を引いた。赤い対数の線を超えたら「買われすぎ」、緑の対数の線を下回ったら「売られすぎ」と考えられる。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン対数成長曲線」)

現在のビットコインの”買われ過ぎ”の水準は11万6369ドルから14万9379ドルで、現在の価格と比較して+176%〜254%の乖離がある。

一方、ビットコインの”売られ過ぎ”の水準は2万6974ドルから3万4626ドルで現在の価格と比較して−18〜36%の乖離がある。

ビットコインが今後も上記の成長カーブ通りに動くという保証はどこにもないが、この成長曲線はビットコイン市場が強気相場にいるのか、弱気相場にいるのかを知る上で参考になるだろう。

⑦ビットコインの月間ボリンジャーバンド(上位)とRSI

ボリンジャーバンドは、ボラティリティの大きさから「買われすぎ」か「売られすぎ」の水準を測る指標として使われる。上位のバンドを超えれば「買われすぎ」、そうでなければ「売られすぎ」と考えられる。一般的に20日間移動平均から標準偏差±2が上位と下位のバンドを示すが、我々は20ヵ月間移動平均から標準偏差+4.5を上位バンドとして捉える。

RSI(相対力指数)は、相場の勢い(Momentum)を図る指標として有名だ。30を下回れば「売られすぎ」を示し、70を超えれば「買われすぎ」を示す。我々は歴史的な関連性の高さから、14ヵ月RSIに注目する。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインの月間ボリンジャーバンド(上位)とRSI」)

ビットコインの今月の最高値は4万7989ドル。月間上位ボリンジャーバンドは、11万2840ドルに位置している。

14ヵ月RSIは56.0。「ニュートラル」の水準にある。過去に月間上位ボリンジャーバンドをビットコイン価格が上回ったことは、2013年4月、2013年11月、2017年11月の3回しかない。3回ともそれぞれの時点で、14ヵ月RSIが100に迫る水準まで上昇した。

⑧ビットコインのMVRV Zスコア

ビットコインのMVRV Zスコア(Market Value to Realized Value)は、ビットコインの時価総額(価格×流通コイン数)と”実現”価値(コインが最後に動かされた時(2つの異なるアドレス間で移動した時)の価値の合計)からビットコインが売られすぎか買われすぎかを測る指標。7から11(ピンクのボックス)が「買われすぎ」を指し、0.9から−0.3(緑のボックス)が「売られすぎ」を指している。

ビットコインのMVRV Zスコアの公式は、(時価総額ー実現価値)/(時価総額の標準偏差)だ。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインのMVRV Zスコア 」)

ビットコインのMVRV Zスコアは1.47。先週の1.38から0.7%上昇した。

現在ビットコインの時価総額は1週間前と比べて0.1%減の8160億ドルで実現価値は横ばいで4600億ドルとなっている。

⑨ビットコインのSOPR

ビットコインのSOPR(Spent Output Profit Ratio)は、売却価格/購入価格の割合を示す。

SOPRが1を上回ることは、保有者が利益を出せる状態であることを意味する。逆にSOPRが1を下回ることは、売却時に損失を出したくないため、ビットコインを売りに動く投資家が少なくなることを示している。

歴史的に強気相場においてSOPRが1に近づくか下回る時、強気派の勢いが増す傾向がある。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインのSOPR」)

現在は1で推移しており、先週の0.997からわずかに上昇して1を回復した。。

現在、1を大きく下回れば、ビットコインが大きな調整局面を迎えた可能性を示唆する。ただ、以前の強気相場では、価格が横ばいになる中でSPORが1に回帰する形で低下した後、価格の上昇とともに1を超える現象が見られた。

⑩ストック・フロー分析

ビットコインのストックフロー分析によると、ビットコインは売られすぎの水準にある。ストックフロー率からの乖離幅は0.4(1より下は売られすぎ)の水準にあり、先週の0.38を上回った。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily ストック・フロー分析)

ストック・フロー率は、ビットコインの総供給量(ストック)と新たな供給量(フロー)を基に算出される。高ければ高いほど、分析対象のコモディティの希少性が増すことを意味する。
ストック・フロー率に ビットコイン 価格の推移を重ね合わせると、両者の動きがほぼ同じであることが分かる。

新たなビットコイン供給量が6.25BTCから3.125BTCまで半減する「半減期」まで833日となった。

[NEW!] LINE始めました!フォローをお願いします
Twitter始めました!フォローお願いします

【ご注意事項】

  • 本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 本資料は、本資料作成時点でKrakenグループ及びPayward Asia株式会社(以下合わせて「Kraken 」といいます)が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
  • 本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、Krakenは一切の責任を負いません。
  • Krakenが、これらの暗号資産の価値を保証したり、推奨するものではありません。暗号資産は、必ずしも裏付けとなる資産を持つものではありません。
  • Kraken Japan(Payward Asia株式会社)では、BTC、ETH、XRP、LTC及びBCH以外の暗号資産の本邦における取扱いはございません。