①ビットコインPi指数
ビットコインPi指数は、111日間移動平均線と350日間移動平均線×2 を使ってマーケットサイクルの天井を探る方法。歴史的に双方がクロスした時点がマーケットの天井となってきた。
(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインPi指数 」)
過去の例を見てみると、2013年4月6日、ビットコインが229ドルの時に2つの平均線がクロスし、約3日後にサイクルの頂点に到達した。また2013年12月4日、ビットコインが1130ドルの時に2つの平均線がクロスし、約5日後にサイクルの頂点に達した。さらに2017年12月16日、ビットコインが1万9660ドルの時に平均線がクロスし、同日にサイクルの頂点に達した。
現在、111日間移動平均線は4万5168ドルで350日間移動平均線×2は4万5154ドルとなっており、2つの移動平均線はクロスした。ビットコイン史上で4回目の出来事であり、ビットコインのマーケットが近く天井をつく可能性を示唆している。ただビットコインPi指数は、クロスしたら必ず弱気相場に入ることを示すわけではない。
②「ビットコイン強気相場 週間サポート」
ビットコインは、歴史的に20週指数平滑移動平均線(EMA)と21週移動平均線(SMA)がサポートとして機能してきた。ビットコイン価格は2つの平均線をサポートに反発して新たな上昇トレンドを作る傾向がある。もし価格が双方の移動平均線を下回る時、強気相場の終わりを示している可能性が高い。
(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン強気相場 週間サポート」)
ビットコイン価格5万9995ドル時点で、20週EMAと21週SMAはそれぞれ4万3054ドル、3万9463ドルに位置している。過去1週間で1800ドル、2100ドルずつ上昇した。
仮に20週EMAまで下落すると28.2%調整、21週SMAまで下落すると34.2%調整することになる。
21週SMAはまもなく4万ドルに到達する事から、今回の強気相場における調整局面でも4万ドルを下回る可能性が低いことを示している。
③ ビットコイン対数成長曲線
2011年1月からのビットコイン価格の推移において、レジスタンス(天井)とサポート(底)を繋げた成長曲線を引いた。赤い対数の線を超えたら「買われすぎ」、緑の対数の線を下回ったら「売られすぎ」と考えられる。
(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン対数成長曲線」)
現在のビットコイン”買われ過ぎ”の水準は7万9370ドルから10万4281ドルで、現在の価格と比較して32%〜74%の乖離がある。一方、ビットコイン”売られ過ぎ”の水準は1万6057ドルから2万1097ドルで現在の価格と比較して65〜73%の乖離がある。
ビットコインが今後も上記の成長カーブ通りに動くという保証はどこにもないが、この成長曲線はビットコイン市場が強気相場にいるのか、弱気相場にいるのかを知る上で参考になるだろう。
④ホドル・ウェーブ(少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの割合)
少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの供給量全体に対する割合は55.43%で、先週の55.53%からわずかに減った。2020年9月に記録した現サイクルの頂点である63.4%から8ポイントのマイナスとなった。
歴史的にビットコイン価格が上昇するに従い、動かないビットコインの割合が減る傾向がある。
(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ホドル・ウェーブ」)
過去1、2週間、ホドルウェーブの下降トレンドがかなり鈍ってきている。現状では、2013年のビットコイン強気相場と似た形で推移している。
2013年、ビットコインのホドルウェーブが当時のサイクルの頂点である48.2%に到達した時、ビットコイン価格は20.4ドル。ビットコインが11月30日に当時の最高価格である1158ドルに到達した時にホドルウェーブは38.8%まで下がった。当時のサイクルでは、価格が5580%上昇する一方でホドルウェーブは9.4ポイント下がったことになる。
⑤ストック・フロー分析
ビットコイン のストックフロー分析によると、ビットコインは若干売られすぎの水準にある。ストックフロー率からの乖離幅は0.8(1より下は売られすぎ)の水準にあり、先週の0.82から若干下落した。
(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily ストック・フロー分析)
ストック・フロー率は、ビットコインの総供給量(ストック)と新たな供給量(フロー)を基に算出される。高ければ高いほど、分析対象のコモディティの希少性が増すことを意味する。ストック・フロー率に ビットコイン 価格の推移を重ね合わせると、両者の動きがほぼ同じであることが分かる。
新たなビットコイン供給量が6.25BTCから3.125BTCまで半減する「半減期」まで1112日となった。
⑥ グーグル検索とビットコイン
現在のビットコインのグーグルトレンドスコアは40で、先月の49から低下した。
(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily 「グーグル検索とビットコイン」)
このスコアは、世界の「Bitcoin」グーグル検索数を価格と比較して算出したもので、急上昇したら価格が高値に近いことを示唆している。
過去最高は2017年12月に記録した100だ。