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ビットコイン、予想調整幅さらに狭く【仮想通貨定点観測 by クラーケン・インテリジェンス】

ビットコイン強気サイクルの天井はどこか?クラーケン・インテリジェンスは、毎週、7つのチャートを更新して歴史的な相場の天井と現在地の距離感を定点観測している。

今回注目のチャートは、「ビットコイン強気相場 週間サポート」。予想される調整幅が2月と3月より狭くなってきており、上昇相場再開に向けてサポートが着実に形成されつつあるかもしれない。

①ビットコインのMVRV Zスコア

ビットコインのMVRV Zスコアは、ビットコインの時価総額(価格×流通コイン数)と”実現”価値(コインが最後に動かされた時(2つの異なるアドレス間で移動した時)の価格)からビットコインが売られすぎか買われすぎかを測る指標。7から11(ピンクのボックス)が「買われすぎ」を指し、0.9から−0.3(緑のボックス)が「売られすぎ」を指している。

ビットコインのMVRV Zスコアの公式は、(時価総額ー実現価値)/(時価総額の標準偏差)だ。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインのMVRV Zスコア 」)

ビットコインのMVRV Zスコアは、4.44。年初来で最低水準をつけた先週からは反発している。

② ビットコイン対数成長曲線

2011年1月からのビットコイン価格の推移において、レジスタンス(天井)とサポート(底)を繋げた成長曲線を引いた。赤い対数の線を超えたら「買われすぎ」、緑の対数の線を下回ったら「売られすぎ」と考えられる。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン対数成長曲線」)

現在のビットコイン”買われ過ぎ”の水準は8万1710ドルから10万7168ドルで、現在の価格と比較して44%〜89%の乖離がある。

一方、ビットコイン”売られ過ぎ”の水準は1万6700ドルから2万1904ドルで現在の価格と比較して61〜71%の乖離がある。

ビットコインが今後も上記の成長カーブ通りに動くという保証はどこにもないが、この成長曲線はビットコイン市場が強気相場にいるのか、弱気相場にいるのかを知る上で参考になるだろう。=

③ホドル・ウェーブ(少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの割合)

少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの供給量全体に対する割合は54.8%で、2020年9月に記録した現サイクルの頂点である63.4%から8.6ポイントのマイナスとなった。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ホドル・ウェーブ」)

歴史的に、ビットコイン価格が上昇するに従い、ホドルウェーブが下がる傾向がある。

2013年、ビットコインのホドルウェーブが当時のサイクルの頂点である48.2%に到達した時、ビットコイン価格は20.4ドル。ビットコインが11月30日に当時の最高価格である1158ドルに到達した時にホドルウェーブは38.8%まで下がった。

当時のサイクルでは、価格が5580%上昇する一方でホドルウェーブは9.4ポイント下がったことになる。

④ ビットコインPi指数

ビットコインPi指数は、111日間移動平均線と350日間移動平均線×2 を使ってマーケットサイクルの天井を探る方法。歴史的に双方がクロスした時点がマーケットの天井となってきた。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコインPi指数 」)

2013年4月6日、ビットコインが229ドルの時に2つの平均線がクロスし、約3日後にサイクルの頂点に到達した。

2013年12月4日、ビットコインが1130ドルの時に2つの平均線がクロスし、約5日後にサイクルの頂点に達した。

2017年12月16日、ビットコインが1万9660ドルの時に平均線がクロスし、同日にサイクルの頂点に達した。

2021年4月11日、史上4回目のクロスが発生。約3日後に過去最高となる6万5000ドルをつけた。

現在、111日間移動平均線は5万28ドルで350日間移動平均線×2は5万1084ドルとなっている。

ビットコインPi指数は、クロスしたら必ず弱気相場に入ることを示すわけではない。

⑤「ビットコイン強気相場 週間サポート」

ビットコインは、歴史的に20週指数平滑移動平均線(EMA)と21週移動平均線(SMA)がサポートとして機能してきた。ビットコイン価格は2つの平均線をサポートに反発して新たな上昇トレンドを作る傾向がある。もし価格が双方の移動平均線を下回る時、強気相場の終わりを示している可能性が高い。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン強気相場 週間サポート」)

ビットコイン価格5万6850ドル時点で、20週EMAと21週SMAはそれぞれ4万6924ドル、4万6307ドルに位置している。

仮に20週EMAまで下落すると17.5%調整、21週SMAまで下落すると18.5%調整することになる。

3月の調整幅は29%〜36%で2月は34%〜43%だった事から、予想されるビットコインの調整幅は小さくなってきている。ここ最近の保合い相場で投資家は一息つくことができ、新たなサポートが形成されつつあることを示しているかもしれない。

⑥ストック・フロー分析

ビットコイン のストックフロー分析によると、ビットコインは売られすぎの水準にある。ストックフロー率からの乖離幅は0.61(1より下は売られすぎ)の水準にあり、先週の0.64から下落した。

 

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily ストック・フロー分析)

ストック・フロー率は、ビットコインの総供給量(ストック)と新たな供給量(フロー)を基に算出される。

高ければ高いほど、分析対象のコモディティの希少性が増すことを意味する。

ストック・フロー率に ビットコイン 価格の推移を重ね合わせると、両者の動きがほぼ同じであることが分かる。

新たなビットコイン供給量が6.25BTCから3.125BTCまで半減する「半減期」まで1091日となった。

⑦グーグル検索とビットコイン

現在のビットコインのグーグルトレンドスコアは42で、先月の50から低下した。

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily 「グーグル検索とビットコイン」)

このスコアは、世界の「Bitcoin」グーグル検索数を価格と比較して算出したもので、急上昇したら価格が高値に近いことを示唆している。

過去最高は2017年12月に記録した100だ。

 

※本原稿は、Kraken IntelligenceのOTC Dailyの一部を翻訳・編集したものです。

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