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ビットコイン 「リセット」後の展開は? カギはインフレ懸念か【仮想通貨相場分析 by クラーケン・インテリジェンス】

ビットコインの「安全資産」ぶりが発揮されているようだ。

過去7日間、ビットコインは10%ほど下落したが、アルトコインと比べて下落幅は低かった。相場全体が大きく崩れるときにビットコインがエコシステムにとっての「安全資産」となる傾向は今回も見られた。ただ、イーサリアム(ETH)やカルダノ(ADA)など、一昔の相場急落時には考えられないペースで反発したアルトコインもある。ビットコインとアルトコインのデカップリング実現はそう遠くないかもしれない。
ビットコインが安全資産かどうかをみる上で注目されるのが、株などリスクオン資産との相関関係だろう。2020年3月、世界のマーケットにコロナショックが直撃した時、一部の仮想通貨投資家は伝統的な金融市場と仮想通貨は相関関係がないと高を括っていたが、実際には株式市場の急落は仮想通貨市場に波及した。
我々は、仮想通貨が有効な価値保存手段やインフレヘッジとして君臨する未来を信じているが、現状では「リスク資産」であることは否めないとみている。現実は、そんなに甘くないというところだろう。しばらくは伝統的な金融市場に翻弄されることになりそうだ。仮想通貨市場が成熟し始めているのは確かなのだが・・・。
(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「ビットコイン とS&P 500、ナスダックとストックス欧州600指数(リスクオン資産)の90日間相関関係(ローリング)」)
上記は、ビットコイン とS&P 500、ナスダックとストックス欧州600指数(リスクオン資産)の90日間の相関関係だ。ビットコインと株価の相関関係は、過去1年間でかなりポジティブな水準での推移が続いていたが、過去2、3ヵ月で大きく低下した。
現在、株式市場はインフレ懸念やキャピタルゲインへの増税、過熱感など多くの悪材料にさらされている。コロナショック時のように株安がおこり、それがさらなる仮想通貨安につながってしまう懸念はあるだろう。
ただ、直近では、インフレ懸念は収まっているようだ。4月の米消費者物価指数(CPI)が12年半ぶりとなる4.2%プラスとなり株価の重石となったが、今後5年間のインフレ期待は直近では下がっている

(出典:Kraken Intelligence’s OTC Daily「今後5年間のインフレ期待指数」)
このような状況下では、金融引き締めや利上げの可能性はさらに下がることになるだろう。低金利の環境はさらなるリスクマネー流入を生み出し、株価上昇、そして「リスク資産」であるビットコイン上昇につながるかもしれない。

先週の大きな調整で、仮想通貨相場は待望の「リセット」を実現した。そして、このタイミングで、リスクマネー流入再開の兆しが出てきている。ビットコインと株の相関関係は上がるだろう。つまり、仮想通貨市場関係者は、今、株式市場に目も向けるべきだということだ。「インフレヘッジ」として君臨する未来がまだ先であるとすれば、株価と相関関係の高いビットコインにとって、インフレ懸念の後退は追い風になるだろう本当にインフレ懸念がすぐには顕在化しないことは確認しなければならないが・・・。

※本原稿は、Kraken IntelligenceのOTC Dailyの一部を翻訳・編集したものです。
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