ビットコイン強気サイクルの天井はどこか?クラーケン・インテリジェンスは、毎週、5つのチャートを更新して歴史的な相場の天井と現在価格の距離を定点観測している。
今回も「ビットコインPi指数」で動きがあった。下記で詳述する通り、歴史的にサイクルの天井を示す「交差」が数週間に迫っているかもしれない。
今回から「ビットコイン対数成長曲線」をチャート分析に加えた。
① ビットコインPi指数
ビットコインPi指数は、111日間移動平均線と350日間移動平均線×2 を使ってマーケットサイクルの天井を探る方法。歴史的に双方が交差した時点がマーケットの天井となってきた。
ビットコインPi指数
2013年4月6日、ビットコインが229ドルの時に2つの平均線が交差し、約3日後にサイクルの頂点に到達した。また2013年12月4日、ビットコインが1130ドルの時に2つの平均線が交差し、約5日後にサイクルの頂点に達した。さらに2017年12月16日、ビットコインが1万9660ドルの時に平均線が交差し、同日にサイクルの頂点に達した。
現在、111日間移動平均線は4万2926ドルで350日間移動平均線×2は4万3108ドルとなっている。双方の差は先週の626ドルから182ドルにまで迫ってきており、今後数週間で交差する可能性が高まっている。
ただビットコインPi指数は、交差したら必ず弱気相場に入ることを示すわけではない。
② ビットコイン対数成長曲線
2011年1月からのビットコイン価格の推移において、レジスタンス(天井)とサポート(底)を繋げた成長曲線を引いた。赤い対数の線を超えたら「買われすぎ」、緑の対数の線を下回ったら「売られすぎ」と考えられる。

現在のビットコイン”買われ過ぎ”の水準は7万8604ドルから10万3334ドルで、現在の価格と比較して33%〜75%の乖離がある。
一方、ビットコイン”売られ過ぎ”の水準は1万5848ドルから2万834ドルで現在の価格と比較して65〜73%の乖離がある。
ビットコインが今後も上記の成長カーブ通りに動くという保証はどこにもないが、この成長曲線はビットコイン市場が強気相場にいるのか、弱気相場にいるのかを知る上で参考になるだろう。
③ホドル・ウェーブ(少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの割合)
少なくとも過去1年間移動しなかったビットコインの供給量全体に対する割合は55.53%で、先週の55.7%からわずかに減った。先々週に7ヵ月続いた減少トレンドが一時停止したが、先週から2週連続での減少となった。
2020年9月に記録した現サイクルの頂点である63.4%から7.9ポイントのマイナスとなった。
ホドル・ウェーブ
歴史的にビットコイン価格が上昇するに従い、動かないビットコインの割合が減る傾向がある。
例えば、前回の強気相場は、2016年1月19日に61.5%で頂点に到達して以降、ビットコイン価格が上昇を続けて当時の最高値を記録した2017年12月17日までに18.4ポイント下がった。
④ストック・フロー分析
ビットコイン のストックフロー分析によると、ビットコインは若干売られすぎの水準にある。ストックフロー率からの乖離幅は0.83(1より下は売られすぎ)の水準にあり、先週の0.86から若干下落した。
ストック・フロー分析
ストック・フロー率は、ビットコインの総供給量(ストック)と新たな供給量(フロー)を基に算出される。高ければ高いほど、分析対象のコモディティの希少性が増すことを意味する。
ストック・フロー率に ビットコイン 価格の推移を重ね合わせると、両者の動きがほぼ同じであることが分かる。
新たなビットコイン供給量が6.25BTCから3.125BTCまで半減する「半減期」まで1119日となった。
⑤グーグル検索とビットコイン
現在のビットコインのグーグルトレンドスコアは44で、3年ぶりの高水準だった2月の72から大きく低下した。
グーグル検索とビットコイン
このスコアは、世界の「Bitcoin」グーグル検索数を価格と比較して算出したもので、急上昇したら価格が高値に近いことを示唆している。
過去最高は2017年12月に記録した100だ。
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