【仮想通貨マーケット特集】第2章 トレードとは?

ジャングルへようこそ!
興奮、恐怖、強欲、カオス、そしてアドレナリンの放出・・・マーケットは、アニマルスピリットを覚醒させます。マーケットは、時には威圧的になります。仮想通貨マーケット特集の第2章では、トレードをするために必要な知識をあなたに伝えます。
トレード
第1章では、マーケットと取引板について基本的な情報を伝えました。そこではマーケットは買い手と売り手が集まって商品とサービス(クラーケンの場合はデジタル資産)を交換する場所であると定義しました。また、取引板をビッド(資産を買うという指示)とアスク(資産を売るという指示)を一覧にしたリストであると定義しました。
トレードとは、合意に基づく2つの資産の交換であり、ビッドとアスクが価格面で合意したら発生します。時々、トレードは、「約定した注文(an exeucuted order)」を略して「約定(execution)」と呼ばれます。全ての取引には買い手と売り手が存在しています。結局、買い手(もしくは売り手)だけしかいない部屋では何も交換できません!
もしビッドやアスクがすぐにもう一方のカウンターパートを見つけられない場合、注文は取引板に追加されます(表1を見てください)。これによって、他のトレーダーは取引されていない注文を見ることが可能になります。
表1
トレードの歴史
他の人が以前にいくらの価格で取引をしたのか知りたいですよね。幸運なことに、クラーケンを含めほとんどの仮想通貨プラットフォームは、トレードの歴史上でどんなトレードが取引所で実行されたか全て記録を取って、時系列で保管しています(表2を見てください)。
表2:クラーケン・プロのスマホ版アプリにおけるトレード記録のサンプル
表2にあるように、それぞれの記録には価格と取引量、そして時間が書かれています。買う(緑)や売る(赤)が色別で分けられています。例えば、最初の横列はビッドが10:05:30に0.00560825 BTCあたり6,706.70ドルで実行されたことが示されています。同様に2列目は、1BTCの注文が同じ価格で最初の注文より3秒早く実行されたことが記されています。
クラーケンのトレード記録は、次のような情報を含んでおり、APIを通して利用可能になっています。
- 価格:結果的に取引が実行された価格
- 取引量:トレードでどのくらいの量の資産(例えばビットコイン)が交換されたか
- 時間:それぞれのトレードに対して記録されたタイムスタンプ
- 買い/売り:注文者は買い手なのか売り手なのか
- マーケット/リミット:注文の種類
トレードの記録は、マーケットにおける活動と効率性を評価する上で使えます。
例えば・・・
- ほとんど注文がなく活動が頻繁でないトレードは、そのマーケットが買い手や売り手にとって魅力的でないことを示しているかもしれません。
- それぞれのトレードの間で短期的に価格が急激に変化したら、流動性(取引板のビットとアスクの数量)が低く、ボラティリティーの高いマーケットであることを示しているかもしれません。
要約すると、トレードは買い手と売り手の思惑が一致して価格で合意することを指します。トレード記録を見ることであなたはマーケットの質について迅速に判断することができます。
価格優先及び時間優先の原則
さて、ビッドとアスクが取引板でどのような優先順位で記録されるのか疑問に思ったかもしれません。それは、価格優先及び時間優先の原則(Price-Time Priority)で決められます。
この原則に基づいて、それぞれの注文はまずは価格によって、その次は時間によってランクづけられます。買い注文の場合、より高い価格でのビッドがより高いランクになります。売り注文の場合、より安い価格のランクがより高くなります。もし2人のトレーダーが買い注文(売り注文)を同じ価格レベルで出したら、早く注文した方が優先されます。
1ラウンド:価格
注文は価格によって優先順位がつけられます。
2ラウンド:時間
上記で見たように、注文はまずは価格で優先順位がつけられます。もし複数の注文が同じ価格で実行されたら、時間によって優先順位がつけられます。