【仮想通貨マーケット特集】 第1章 マーケットと取引板

過去数年間、仮想通貨業界ではマーケットの構造に関して多くの誤解が生まれました。混乱、フラストレーション、そして熱い議論を呼んだことを私達は知っています。マーケットは複雑です。我々みんながマーケットを勉強するために時間を費やすほど幸運なわけではありません。だから我々は、仮想通貨マーケットの理解を助けるために「仮想通貨(暗号資産)マーケット特集」を始めました。マーケットで起こる出来事に対して、あなたが自信を持って意見を持ち、意味ある議論に参加できる知識のベースになることを我々は望んでいます。

仮想通貨マーケット特集は、全部で6つの章から構成されています。

第1章 マーケットと取引板
第2章 トレードとは?
第3章 トレード実践 あなたはどんなタイプのトレーダー?
第4章 流動性とマーケットインパクト
第5章 マーケットの誤解を解く
第6章 悪いマーケットを見つける方法
第1章は、「マーケットと取引板」についてです。

マーケット

まずは基本から始めましょう。

マーケットとは、買い手と売り手が集まって商品やサービスを交換する場所です。あなたの近所にあるファーマーズマーケット(農産物の直売所)が良い例です。買い手であるあなたと私が、売り手である農家と卸売業者と会って、お金と商品を交換します。このマーケットは、通りすがりの人であっても成功した農家であっても、それぞれの参加者が買い手か売り手かどちらかのみの役割を果たすため、我々は一方向のマーケットと呼びます。

ちょっと飛躍させすぎと思うかもしれませんが、ファーマーズマーケットの例は、仮想通貨取引所(暗号資産交換所)とかなり似ています。クラーケンでは、仮想通貨と法定通貨の交換を目指す買い手と売り手を毎日数千人規模でつなげています。あなたの地元のファーマーズマーケットではあなたは売り手としてのみ参加しましたが、クラーケンでは顧客が買い手や売り手、もしくは両方として自由に参加することができます。世界中のファーマーズマーケットで売り買いされるアボカドのように、あなたは複数の取引所で仮想通貨を交換することができます。多くの取引所がビットコインのような人気通貨のほとんどを取り扱っており、買い手と売り手が一定の取引量を一定の価格で交換することに合意をしています(グラフ①を見てください)

表①:クリプトウォッチ(Cryptowatch)ビットコイン/ユーロの市場

取引板(板)

取引板は、英語でオーダーブック(Orderbook)。日本では、単純に板とも呼ばれています。それぞれのマーケットでは、様々なタイプの人々による交流があるものです。ある人は、部屋の向こうから叫んでいるかもしれませんし、またある人は賑やかな通りのど真ん中で慎重な値切りをするかもしれませんし、さらに別の人は参加資格として特別な会員にならなければいけないと言ってくるかもしれません。ただ、共通点は、はっきりとした形になっているかどうかはともかくとして、参加する個人が取引をする上で遵守が求められるルールがあることです。クラーケンを含む全ての仮想通貨交換マーケットは、伝統的な金融業界でよく見かけるルールに従っています。とりわけ、我々は個人に対して口座の開設を許可して彼らが取引板で資産の売買を注文できるようにしています。

注文とは、取引のための指示です。クラーケンでは、基本的にあなたは以下のような注文をすることができま

方向性:あなたは買い手ですか?売り手ですか?
資産:あなたはどの通貨を交換したいですか?
取引量:どのくらいの取引量を取引したいですか?
価格:どの価格を受け入れるつもりですか?

表②:クラーケンのビットコイン/米ドル市場 基本的な注文フォーム

惣菜屋でサンドウィッチを買う人が好きな人は、この注文フォームには親しみがあるかもしれませんね。あなたがやることは、提供されている価格でサンドウィッチ(資産)を1つ(取引量)買うこと(方向性)です。唯一の例外は、シェフがあなたに価格を決めさせてくれない点でしょう!

クラーケンの場合、顧客から注文を受け取り取引板に送ります。注文は、ビッド(買値)アスク(売値)に分けられます。簡単に言いますと、取引板はビッドとアスクの公募リストです。

表③を見てみますと、アスクが取引板の上半分にビッドが下半分に表れているのが分かります。取引板の表示方法は様々ですが、最も低いアスクと最も高いビッドが最も近い場所に来るようになっています。以下ではその理由について見てみましょう。

あなたが2つのガソリンスタンドのうち、どちらで車にガソリンを入れるか考えているケースを検討しましょう。1つは1ガロン3ドル、もう1つはたった今取引価格の更新を終えて1ガロン2.9ドルで提供しています。

あなたはどちらを選びますか?

合理的な人は、より安いオプションを選ぶことで節約し、余ったお金でキャンディーを買うなどして購買経験を最大化します。このマーケットで最も競争力のある価格は市場価格と呼ばれ、買い手(あなた)と売り手(ガソリンスタンド)が取引を合意した価格となります。さて、あなたがこの行動を取るに至るまでの思考プロセスを考えてみましょう。(1)ガソリンスタンドの特定(2)価格の比較(2)最安値でのガソリンの購入になります。

表③:クラーケン  ビットコイン/米ドルの取引板

取引板は、最も低いアスクと最も高いビッドを隣に表示することで、市場価格が何かを突き止めやすくします。最も高いビッド価格はベストビッド、もしくはマーケットビッドと呼ばれ、最も低いアスクはベストアスク、もしくはマーケットアスクと呼ばれています。マーケットビッドは、ある時点で我々がその資産を売ることができる最高価格であり、マーケットアスクは、ある時点で我々がその資産を買うことができる最低価格となります。マーケットビッドやマーケットアスクで提供される取引量を上回らない小規模な注文に関しては、買い手も売り手も注文を完了させることができます。この点については、「トレード実践」の章で解説します。

最後に、マーケットビッドとマーケットアスクの差は、ビッド・アスク・スプレッドと呼ばれます。ビッド・アスク・スプレッドは、一般的にはマーケットがどのくらい活発で効率的かを示します。もしビッド・アスク・スプレッドが「狭い」、もしくはゼロに近ければ、買い手と売り手が価格で合意間近でありトレードを実行しやすいことを意味します。もしビッド・アスク・スプレッドが「広い」、もしくはかなり高いということであれば、買い手と売り手は価格の合意でかなり距離があり、ほとんどの参加者がその時点での取引に興味を持っていないことを意味します。

まとめ

仮想通貨マーケット特集の最初の章で我々は、マーケットの基本と顧客が取引板を通してどのように交流するのか解説しました。次回以降の章では、トレードの実行、注文の種類、流動性について解説することで、あなたをマーケットのプロに一歩ずつ近づけます。